カゲロウデイズ ムエットver

太陽が昇る空の下で民を引き連れて
戦へゆく
病気になりそうなほど眩しい日差しの中
ツルギ携え光側と対峙した

「でもまぁアナタは好きかな」瞼伏せながら
君は弱々しくつぶやいた

あぁ、駆け出した民の後を追いかけて
飛び込んでしまったのは構えたツルギの切っ先

バッと駆け出す民たちが君を無視していきり立つ
血飛沫の色、君の香りと混ざり合ってむせ返った
嘘みたいな陽炎が「嘘じゃないぞ」って嗤ってる
太陽の光、かき回すような民の声に全て眩んだ

目を覚ました側近の小言きく書斎机
今日何する?
太陽が昇り始めた空を見つめながら
やけに煩い民の声覚えていた

でもねぇ、少し不思議だな。
同じ戦場で昨日見た夢を思い出した
「もう今日はやめようか」道に抜けた時
周りの人は皆前を見つめて叫んでいた

内乱が起きて剣たちが君を貫いて突き刺さる
劈く悲鳴と足踏みの音が高野の埃で空回り
ワザとらしい陽炎が「夢じゃないぞ」って嗤ってる
眩む視界に君の横顔、笑っているような気がした

何度世界が眩んでも陽炎が嗤って奪い去る。
繰り返して何十年。もうとっくに気が付いていたろ。
こんなよくある話なら結末はきっと1つだけ。
繰り返した戦場の向こう。

バッと押しのけ飛び込んだ、瞬間民の剣が突き刺さる
血飛沫の色、君の瞳と軋む体に乱反射して
文句ありげな陽炎に「ざまぁみろよ」って笑ったら
実によく在る戦場でのこと。
そんな何かがここで終わった。

目を覚ました宮殿の大きなベッドの上
少女はただ
「またダメだったよ」と一人空をみて膝を抱えてた


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